ここで紹介するSX-KeyはParallax社が開発した統合開発環境を提供する開発ツールです。 (1)(2)
SX-Keyはプログラマ/エミュレータユニットと統合ソフトウェアから構成されています。SX-Keyを使用するためにはWindows95がインストールされているIBM PC/AT互換機が必要です。
プログラマ/エミュレータユニットは約10×44mmと非常に小さく、ターゲットとの接続は図1のようにOSC1/2,VDD,VSSの4つのピンのみです。
パソコンとの接続はPC/AT互換機用の9ピン・シリアルコネクタにより行います。本ユニットはターゲット基板から5V300mAの供給を受けて作動します。よってターゲット側のVDD電源はSX-Key使用時にはターゲット基板+SX-Keyの電源容量が必要となります。
図1 SX-Keyの接続図
SX-Keyプログラマ/エミュレータ・ユニットにはSX18/SSが搭載されており、ホストパソコンとの通信、プログラマ、ターゲットへの電源供給などを制御しているようです。
統合ソフトウェアは、エディタ、アセンブラ、プログラマ、デバッガからなります。
エディタは検索・置換、カット&ペーストなど最小限の機能があります。ソフトウェアは英語版ですので、日本語で書かれたコメントは文字化けして表示されますが、アセンブル作業などには影響を与えないようです。
図2に統合ソフトウェアの実行メニューを示します。
メニューのProgramコマンドは編集中のソースコードをアセンブルしターゲットのSXマイコンにプログラムを書き込むコマンドです。
図2 統合ソフトウェア
Run w/clockコマンドはProgramコマンドと同様にプログラムの書込みを行いますが、書込みが終了すると、ソースコードにあるFREQ疑似命令で指定された周波数のクロックをターゲットに供給し、ターゲットを外部クロックで作動させます。
Assemble及びListingコマンドはソースコードのアセンブルのみを行います。Listingコマンドではリストファイルが作成されます。
DeviceコマンドはターゲットSXマイコンのデバイスコンフィグレーションやプログラムメモリの参照及び変更、HEXデータフォーマットの読込み及び保存を行うためのものです。デバイスコンフィグレーションはソースコードにDEVICE疑似命令より記述することもできます。
Configureコマンドは使用するシリアルポートの選択、プログラマの設定を行うものです。
DebugコマンドはターゲットSXにデバッグ用の命令コードを書き込むことにより実機デバッグを行うものです。ただし、デバッグ用の命令コードのための領域をターゲット上に確保する必要があり、また幾つかの制限事項があるので注意が必要です。